初心者の方には少し難しい内容かもしれませんが、必ず知っておくべきサバゲー知識です。
本記事では、適正ホップ調整の方法を初心者の方に分かりやすく解説します。
手順どおりに調整を行えば、適正ホップに調整ができて効率よく飛距離を伸ばすことができますので、ぜひ御覧ください!
ホップ・アップ・システム(HOPーUp System)とは?
まずはホップの概念を軽く理解しておきましょう。
ホップ・アップ・システムの概念
※出典:東京マルイ
- BB弾にバックスピンをかけて、浮き上がる力を発生させる
- 重力で落ちようとする力と、ホップで浮き上がろうとする力がつり合って遠くに飛ぶ
- つまり、適正なホップ回転がかかると、よりまっすぐ・遠く飛ばすとこができる
ホップ調整とは?
ホップ調整は、ホップ・アップ・システムを利用して、BB弾にバックスピンを調整する行為のことです。
ホップ調整の目的は、ホップを適正ホップに調整して、良い弾道で遠く飛ばためです。
ホップと弾道の関係は?
ホップがかかったBB弾は、このように遠距離まで比較的にまっすぐ飛んで、最後に少し上に曲がって、落ちる「弾道」になります。
ホップが掛かった時の弾道
- 発射&バックスピンの力で、遠距離まで比較的にまっすぐ飛ぶ
- 発射の力がなくなると、最後に少し浮き上がる
- バックスピンの力までなくなると、落ちる
ホップの強さによって、弾道が変わることによって、飛距離が変わります。
ホップと飛距離の関係は?
ホップの強さによって、このように弾道と飛距離は変わってきます。- ホップ強めだと、浮き上がる高さも大きくなりますが、飛距離がかなり伸びる
- ホップ弱めだと、浮き上がる高さは少ないですが、飛距離も短い
- 適正ホップだと、すこし浮き上がって、飛距離も伸びる
※ホップが弱すぎると、的を狙えないほど弾がすぐに落ちます。(弾ポロ)
適正ホップについて「理論編」
適正ホップとは?
適正ホップとは、【弾道】と【飛距離】のバランスが取れている適正なホップが掛かっている状態のことを言います。- 弾道:浮き上がりが強すぎないように
- 飛距離:なるべく遠くまで
※この2点がとても重要です。
弾道の重要性
ホップが強すぎると、弾の浮き上がりが大きくなるため、狙って撃っても当たらない可能性が高くなります。
飛距離の重要性
ホップが弱すぎると、弾の飛距離が短くなるため、狙って撃っても届かない可能性が高くなります。
適正ホップの正解は複数ある!
適正ホップの正解は一つではありません。
先程、説明した内容を言い換えると、こうなります。
ホップによる弾道と飛距離
- 弾道が良いと、小さい的に当てられる可能性は高いけど、飛距離が短くなる
- 弾道が悪いと、小さい的に当てられる可能性は低いけど、飛距離が長くなる
※必ず理解してください!
つまり、適正ホップは【弾道と飛距離のバランスが良い状態】なので、両方が100%満足できることではありません。
求める性能による!
すなわち、適正ホップは、両方が100%満足できないバランスのことなので、【求める性能によって変わる】わけです。具体的な例で説明します。
インドアフィールドの適正ホップ
インドアフィールドの環境
例えば、インドアだとほぼ近距離戦で、的が小さいです。
※的:敵の露出面積
※インドアでは、ハンドガンのようにコンパクトな銃を使用しながら、常に機敏な動きをしているので、見つける敵の露出面積が小さい傾向です。
インドアフィールドで求める性能(目安)
インドアフィールの環境で求める性能はこんな感じになります。
- 弾道:敵の頭や腕に命中できるほど弾の浮き上がりをなるべく抑えたい
- 飛距離:2~30mで充分
- 主な交戦距離:10m~20m
この場合では、この性能が発揮できるホップ状態が適正ホップになります。
屋外フィールドの適正ホップ
屋外フィールドの環境
例えば、屋外だと遠距離戦が多くて、的が大きいです。
※屋外では、フィールドが広くて相互探索は難しいけど、逆に見つけた時には敵の露出面積が広い場合が多いです。
屋外フィールドで求める性能(目安)
屋外フィールドの環境で求める性能はこんな感じになります。
- 弾道:敵の上半身に命中できるほどで充分
- 飛距離:長いほど良い。最低限45m以上はほしい
- 主な交戦距離:30m~40m
この場合では、この性能が発揮できるホップ状態が適正ホップになります。
適正ホップの調整方法「手順編」
① 自分の基準距離を決める
まずは、自分の「基準距離」を決めておく必要があります。
銃口とサイトは高さが違う
銃口とサイトは高さの誤差があります。
10cm以内の細かい誤差ですが、これによって銃口と目との角度の差が発生してしまって、距離が長くなるほど着地点での誤差が大きくなります。
距離によってゼロインはずれる
すべての距離に対して完璧にカバーできるゼロインはありません。狙った距離によって、角度による誤差で、ゼロインがずれるからです。
基準距離の目安は30m
結局、ゼロインは「最も正確に狙いたい距離を基準として決めて、ゼロイン調整を行う」しかありません。
その他の距離は、少しの誤差を覚えて、予測照準でカバーします。
※予測照準(Predicted Aiming):弾着点の誤差を予測して、わざと照準点をずらすこと。
実銃の場合も、予測射撃は存在します。
上向き照準(Hold Over)・下向き照準(Hold Down)と言います。
サバゲーでは、多くのサバゲーマーが「30m(屋外)を基準距離」として、ゼロインをしています。
皆さんの場合、とりあえず決められない時は、30m前後を目安に決めれば問題ありません。
② ホップの仮調整を行う
次は、ホップの仮調整を行います。ホップの掛かりは、弾道が少し曲がるまでにしてください。
弾道の目安
イメージとしては以下の画像を参考にしてください。
ホップ調整は銃口の目線から
ホップ調整を行う際には、銃口の目線からみて判断するとやりやすいです。サイトではなくて、銃口の目線です。
銃口の目線から見て、弾が少し上がって落ちる程度までホップを掛けてください。
仮調整の理由
ホップが変わればゼロインを修正する必要があるから、最初は仮調整します。
基準距離に対するゼロインを行う
調整した仮ホップの状態で、先程決めた「基準距離」に対すしてゼロインを行います。
ゼロイン調整の注意点
ゼロインを調整する時は注意点があります。
- 銃の左右を垂直に構える
垂直に構える理由
ホップが掛かっている状態なので、弾は銃口の上の方向に曲がります。
もし、銃が斜めになったら、弾も斜めに曲がってしまいまうので、ちゃんとした調整ができません。
極端の例として、銃を左に寝かして撃つと、弾が左方向にかなり曲がってしまします。
必ず銃を垂直に構えてゼロイン調整を行ってください。
必ず銃を垂直に構えてゼロイン調整を行ってください。
ゼロインの左右は完璧に合わせる
まだ仮調整とは言いましたが、ゼロインの左右の調整はは完璧に合わせて置きましょう。左右の調整は一度だけ完璧に合わせて置くと、ホップを変えても治す必要が無いからです。
一度ゼロインができているドットサイト&スコープがあれば、銃を変えても左右のゼロインは治す必要がありません。
※上下の調整は、銃によってレイルマウントの高さが変わるので、少しの修正が必要です。
ゼロインの上下は?
上下の調整は、先程も説明したとおりに、ホップによって変わるので、適当で大丈夫です。真ん中というよりは、とりあえず的に当たる程度で調整しておけば大丈夫です。
※ゼロイン調整は、プロキャッチターゲットを使うと家でもできます。
屋外の場合、基準距離の30mにゼロインをして、上下誤差を60cmまで許容すると、20mから45mまでの的に対応ができます。
次は、最後の手順です。
実は、この2つがとても重要です。
※銃の性能によって、結果は異なります。
④ 上下誤差の許容範囲を決める
次は、上下誤差の許容範囲を決めることです。
エアソフトガンから発射されたBB弾は、距離によって上下の誤差が発生します。
上下誤差が生じる理由
- 銃口とサイトは高さが違うため
- ホップが掛かった弾道になるため
そして、銃口とサイトの高さの差はほぼ固定ですが、ホップによる弾道の浮き上がりは可変式です。
上下誤差はホップによって変わる
- ホップが強いと、弾の浮き上がりによる上下誤差が大きくなる
- ホップが弱いと、弾の浮き上がりによる上下誤差が小さくなる
※この内容が理解できないと次に進められないので、「適正ホップの理論」セクションを再度ご覧ください。
※サイトの高さを物理的に低く変えることは、ホップ調整とは関係がないので論外とします。
飛距離と上下誤差
つまり、飛距離を伸ばすために、ホップを強く掛けると、上下誤差が大きくなります。
上下誤差の許容範囲を決める理由
飛距離を伸ばすと、上下誤差が大きくなってしまうので、自分が決めた許容範囲を超えない限度で飛距離を伸ばす必要があります。
許容範囲の目安は?
許容範囲の目安は状況によって変わります。
- インドアの場合:小さい的に命中できるように、上下を合わせて最大20cm
- 屋外の場合:敵の上半身に命中できるように、上下を合わせて最大60cm
屋外の場合、基準距離の30mにゼロインをして、上下誤差を60cmまで許容すると、20mから45mまでの的に対応ができます。
※銃の性能によって短くなる場合があります。
次は、最後の手順です。
⑤ ホップとゼロインの精密調整を行う
最後の手順は、ホップ調整とゼロイン調整の精密調整を繰り返して最終調整を行うことです。この際には、自分が決めたの許容範囲サイズの的があればベストです。
※フィールドのシューティングレンジなどを利用する場合は、的サイズの調整なんかはできないので、見た感じの感覚でカバーしましょう。
精密調整の方法(屋外の場合)【超重要】
- 主な交戦距離(20~40m)で、誤差の許容範囲サイズ(60cm)的が全て当たるまでホップの微調整を行う
- 基準距離(30m)の弾着点がほぼ真ん中になるようにゼロインの微調整を行う
※インドアの目安は、交戦距離10~20m、許容範囲サイズ20cm、基準距離15mが良いです。
①から④までは事前準備のようなもので、⑤精密調整が本番です。
ホップを変えれば、ゼロインの上下が変わるので、精密調整を繰り返して最終調整を行ってください。
精密調整の目安
目安としてはこのようになります。- 基準距離の30mでは、真ん中に命中
- 近距離の20mでは、下部に命中(銃口・サイトの誤差のため)
- 遠距離の40mでは、上部に命中(銃口・サイトの誤差、ホップによる浮き上がりのため)
- 限界距離の50mでは、20mより下部に命中(弾の力がなくなるため)
- 50mは当たらない場合がある
- 40cmの的に全て命中できる場合がある
弾着点を覚える
精密調整が終わったら、各距離での弾着点を覚えておいてください。真ん中を狙った時の弾着点を覚えて、予測照準をする必要があります。
ゲーム中にとても有効です。
※着地点での修正は予測照準でカバーができますが、射線の中での障害物は通せないので注意が必要です。
※着地点での修正は予測照準でカバーができますが、射線の中での障害物は通せないので注意が必要です。
※弾着点は、高性能スコープ(安価)を使うと分かりやすいです。
長い飛距離を求めてホップを強めにすると、上下誤差が大きくなります。
誤差の許容範囲が広いと予測照準が多く必要になります。
ゲーム中に速やかな予測照準を行うためにかなり練習が必要です。
適正ホップの調整方法は以上です!
記事が長くなりましたので、最後としてまとめさせていただきます。
強ホップで飛距離を伸ばす場合の注意点
誤差の許容範囲が広いと予測照準が多く必要になります。
ゲーム中に速やかな予測照準を行うためにかなり練習が必要です。
適正ホップの調整方法は以上です!
記事が長くなりましたので、最後としてまとめさせていただきます。
適正ホップ調整のまとめ
ホップ・弾道・飛距離について
ホップ・アップ・システム(HOPーUp System)とは
- BB弾にバックスピンをかけて、浮き上がる力を発生させることで遠くに飛ばすシステム
ホップ調整とは
- ホップ・アップ・システムを利用して、BB弾に掛かるバックスピンを調整すること
ホップと弾道
- ホップがかかったBB弾は、まっすぐ飛んで、少し上に曲がって、落ちる
ホップと飛距離
- ホップの強さによって飛距離は変わる
適正ホップの理論
適正ホップとは
- 弾道と飛距離のバランスが取れている状態
適正ホップは、求める性能によって変わる
- 飛距離が短くても良い弾道が重要:ホップ弱めが適正
- 弾道の浮き上がりが大きくても飛距離が重要:ホップ強めが適正
適正ホップの調整手順
基準距離を決める
- 距離によってゼロインがずれるので、優先する基準距離を決めてゼロイン調整を行う
- 屋外フィールドの場合の目安は30m
ホップの仮調整を行う
- 本調整の前に、まずはホップの仮調整を行う
ゼロインの仮調整を行う
- ゼロインの左右は完璧に合わせる
- ゼロインの上下調整はホップによって変わるので、仮調整まで
上下誤差の許容範囲を決める
- 飛距離を伸ばすためにホップを強く掛けると上下誤差が大きくなるので、最大限の許容範囲を決めておく
- 屋外フィールドの場合の目安は最大60cm
ホップとゼロインの精密調整を行う
- 主な交戦距離(20~40m)で、誤差の許容範囲サイズ(60cm)的が全て当たるまでホップの微調整を行う基準距離(30m)の弾着点がほぼ真ん中になるようにゼロインの微調整を行う
適正ホップ時の弾着点(目安)
弾着点を覚えて予測照準を練習する
- 距離ごとに弾着点が変わるため、予測照準を練習する必要がある
ホップ調整の関連装備
ホップダイヤルアジャスター
- 発射されたBB弾がターゲット表面に付着される
- BB弾は数秒後にパッドから離れて受け皿に落ちる
- サバゲーの前に、室内でゼロインの左右が精密に調整できる!
VectorOpticsライフルスコープ「フォレスター」
- コスパ最強の高クオリティー・スコープ
- 倍率:1~5倍
- 弾着点が見やすいのでホップ調整&ゼロインに便利!
適正ホップ調整の解説記事は以上です!
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(2020.06.20) |
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